皆様は「音楽療法」と言う言葉を耳にした事はありますか?
音楽療法とは「音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、
心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上、行動の変容などに向けて、
(日本音楽療法学会より引用)と定義されています。
海外では保健適用のセラピーとして認められている国もあり、
理学療法士や作業療法士のように音楽療法士も同じように確立されたヘルスケアの専門職と言えます。
ここでは、「音楽療法」について少し詳しくお伝えいたします。
皆様のイメージは・・・?
皆様は「音楽療法の教室」と聞くと「英語教室=英語が上手くなる」のように
「音楽技術が上手くなる」と思われていませんでしょうか?
実は、そうではありません。
「音楽」はあくまでも、目標を達成させるための「手段・方法」です。
ですので、音楽を使って、ことばが出た!・足が動いた!・気分が良くなった!
のように、音楽技術が身につくわけではなくて、
音楽を使ってその先の目標を達成させることが役割なのです。
もちろん、
音楽の強みである「楽しみながら」と言うところを最大限に活かし、
ご利用の方は、やらされてる感なく、音楽を楽しんで
目標達成に向かいます。
この音楽を、ご利用の方には気づかれない様に
「意図的・計画的に」活用するのが音楽療法士の役目なのです。
ここからは少し難しいお話をします。
音楽を使って~と上記に書きましたが、その音楽にも様々な種類があり、もちろん、目標・目的も様々です。
音楽療法士はどのように「意図的」計画的に」目標を決めているのか、ご紹介いたします。
※出典:フロリダガルフコースト大学 音楽療法プログラムヘッド 徳島文理大学名誉博士マイケル・ローバッカー
①働きかける領域
・認知面
・運動面
・コミュニケーション面
・社会性
・情緒面
②音楽の種類
・歌う
・動く
・聴く
・演奏する
③音楽療法の機能
・修復(回復)
・向上
・維持
・方向転換
・予防
・ウェルネス
音楽療法は上記の①と②と③を意図的に組み合わせて実施されます。
例えば…
①右麻痺の方の運動に②楽器演奏を取り入れる事で③機能維持・回復に繋げる
①認知症が進んだ方と②昔の歌を歌うことで③認知症予防に繋げる
①情緒不安定な方に②大好きな音楽を聞いて頂く事で③不安な気持から逸らす(方向転換)
など、組み合わせは様々です。その方にとって一番最適な方法を用います。
ですが、当のご本人は、やらされてる感なく、楽しく音楽に取り組んで頂くだけです。
音楽特有の「楽しさ」を最大限に活かし、様々な効果を楽しみながら促します。
音楽療法ライツで実際に実施している音楽療法の内容(一例)をご紹介いたします。
その方の好きな曲や、歩行速度に合わせたメトロノームを使い、現在の歩行状態(すくみ足・小刻み歩行・突進歩行、等)の回復や、これ以上症状が進まない様に現状維持を目指してます。
「何もしたくない」「何もできない」等、気分の落ち込みが激しい方にピアノの連弾を提案し、練習・披露する事で上記のような発言が減り、楽しく過ごしていただくことを目指しています。
季節の歌や若い頃に流行った歌謡曲を歌って頂く事で昔を思い出していただき、懐かしい話を聞かせていただきます。また集団で行うことにより、他者とのコミュニケーションも生まれます。
上記はほんの一例です。上記以外にも、その人に合った目標に合わせ、様々なプログラムを実施しています。
音楽療法ライツ
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